マスコミに紹介されました

地熱住宅快適生活−読売新聞平成20年4月17日に掲載されました  

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船橋市東船橋の税理士大久保忠男さん(78)宅では、まだ真夏の余韻が残る9月10日に"冬支度"が始まる。昼間の日差しで暖められた室内の空気を、壁の中を通した管で床下に送り、基礎のコンクリート部分に熱をためる。建物直下の地中温度が、冬季にもできるだけ下がらないようにという工夫だ。
冬本番になったら、温かい床下の地中熱が、自然に室内を暖める。暖房は1階のエアコン1台で十分。夏は逆に、床下のひんやりとした空気を室内に送る。
「春夏秋冬、家中どこにいてもあまり温度差を感じない。非常に快適で気持ちまで落ち着く」と大久保さん。オール電化で調理にも給湯にも電気を使うが、冬場の光熱費は半分以下になったという。
地中熱を活用する住宅の建設には約8か月を要し、費用も坪単価約70万円と決して安くない。それでも「お金や時間には代えられない良さがある」というのが大久保さんの結論だ。

床下は夏冷たく冬温か

この木造2階建て住宅を設計・施工したのは、千葉市中央区の住宅会社「エコホームズ」。社長の玉川和浩さん(46)は「地中熱活用住宅は究極のエコ住宅」と話す。同社はこれまでに、県内で736棟、県外で44棟の「地熱住宅」を手がけた。
開発のきっかけは1990年。北海道でアイヌの伝統民家の研究をしていた元北海道教育大非常勤講師(住居学)の宇佐美智和子さん(68)が、高気密・高断熱の家造りに取り組んでいた同社に、志願して入社した。アイヌの人たちはなぜ、ササの葉で覆っただけの家で寒い冬を越せたのか-。長年の研究で宇佐美さんは、その秘密が床下にあるとみていた。
地下5㍍の温度は、気温に比べて季節による温度差が小さい。銚子市では5月が15度、11月で18度で、井戸水と同じように、夏冷たく冬温かい。
これを現代の住宅に応用したのが同社の地熱住宅だ。

同社では2か月に1回、入居済住宅の見学会を開催している。4~5年前は参加者がゼロのこともあったが、最近は募集するとすぐ定員が埋まるという。12日に行われた大久保さん宅の見学会にも、県内外から12人が参加した。
「暑ければ冷房、寒ければ暖房というのはエネルギーの無駄」と、住宅そのものの省エネ化の必要性を訴える玉川さん。「最初から温暖化防止を考えていたわけではないが、冷暖房費がほとんどかからないため、結果としてCO2の削減につながっている」と話す。
現在、考え方に賛同した全国各地の32工務店が「ecoハウス研究会」(事務局・兵庫県)を結成、地熱住宅の普及に努めている。アイヌの知恵が、千葉から全国に広がろうとしている。