地中熱について

秋田の地中熱 

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『100年前の文献から浮かび上がった地中熱』 

『大阪気象五年報 明治29−33年』
この古い地中熱データですが、残念なことに日本全国の測候所の計測内容があるわけではないようです。
また、計測時期にもかなりのばらつきがあり、一概に各地の比較をできるというわけでもありません。

しかし、センサー技術も発達していない明治時代に、毎日コツコツと測定をしていたであろう測候所の人たちの姿を思い浮かべると、本当に頭の下がる思いがしました。


その中でまずは『府立大阪一等測候所』が明治34年11月に発行した『大阪気象五年報 明治29−33年』のデータをグラフ化してみることにしました。


『大阪気象五年報 明治29−33年』

↑『大阪気象五年報 明治29−33年』の実際に地中熱の数値が載っているページ。
これは活字が使われているが、物によっては手書きによる記述もあり、当時の苦労が偲ばれる。
※クリックでPDFファイルが開きます。



府立大阪一等測候所『大阪気象五年報 明治29−33年』による地中熱計測グラフ


府立大阪一等測候所『大阪気象五年報 明治29−33年』による地中熱計測グラフ

思っていたとおりの曲線が浮かび上がりました。紫色の地下5mの温度はしっかり夏と冬が逆転しています。5年間の計測値の平均によるものなので誤差も少ないと思われます。

温度数値も見てみます。先ほどの銚子気象台のデータと比較するために最低・最高温度をそれぞれ色分けしています。
※銚子気象台のデータとは測定深さが異なります。

府立大阪一等測候所『大阪気象五年報 明治29−33年』による地中熱計測データ

銚子気象台の地下5mの最高・最低温度と比べると、大阪のそれは1℃ずつ高い温度となっています。
やはり関西の方が温暖ということを裏付けているのかも知れません。

大阪府教育センターによると、ここ100年の間で大阪の平均気温は2度以上上昇しているというデータもあります。それが地中熱にどの程度影響を及ぼしているのかは定かではありません。


※地中熱についてのご質問は下のフォームにご記入頂くか、こちらまでメールをお願いいたします。頂いたご質問は当サイト内で掲載させて頂ければと考えています。


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明治時代の測候所の地中熱計測データを見てみる 

地中熱は太陽のエネルギーと気温によって発生する熱エネルギーです。
地熱住宅開発者の宇佐美氏は自身の研究論文の中で次のように書かれています。


・・・無尽蔵とも思えるこの熱はいったい何でしょうか?深い地中温度の経過を気象台で調べることにしました。しかし、50年余り地中温度は測定されていないとのことで、古いデータだけが保管されていました。

明治時代から1940年代まで、現代のような便利な温度センサーのない時代に、日本各地の気象台で地下10m(地域によっては5m)までの各深度10箇所について、昼夜測定し続けられていたのです。
そのことに、言葉にならないほどの深い感動を覚えました。

そして同時に、現代は、センサーを一度埋め込むだけで自動的にデータが取れるにもかかわらず、測定が中断されたままになっている事実。

文脈から外れますが、これは、人類を育んできた大地への関心の薄れの表れでしょうか?
20世紀末に日本文化が到達している座標点を象徴的に示されたように私は受け止めました。


『自分たちの住んでいる場所の地中熱はどうなっているんだろう?』


ふとそんなことを考えいろいろ検索してみましたが、宇佐美氏の書いたとおり、インターネット上では地中熱のデータは見つかりませんでした。
※気象台に直接問い合わせればあるのかも知れません。


その代わりに非常に面白いものを見つけました。


国立国会図書館が運営している[近代デジタルライブラリー]です。著作権期限の過ぎた明治時代の文献をインターネットで公開しているサイトです。

ここで各地の測候所が計測した明治時代の地中熱データを発見したのです。


『果たして本当に地中熱の夏冬逆転現象が起きているのか?』
それを調べるべく手書きの文献から数字を拾い出しグラフにしてみることにしました。


<続き 『100年前の文献から浮かび上がった地中熱』>

地下に眠る天然エネルギー[地中熱(ちちゅうねつ)]とは? 

地熱 [地中熱(地熱・地温ともいう)]は、地面が持っている天然の熱エネルギーです。

よく、『マグマの熱ですか?』と聞かれます。 もちろん地下何百メートル、何千メートル下にはマグマの熱が眠っていますが、私たちが地中熱と呼んでいるのはもっと浅いところ、地下10mぐらいまでに眠る熱のことです。


ではマグマでないとすると、この熱は一体どこで発生しているのでしょう?

答えは『太陽の熱』です。
日中の直射日光や気温で暖められた熱が徐々に地下に伝わっていったものなんです。

 

この地中熱を建物に取り込もう、というのが『地熱住宅(ちねつじゅうたく)』の基本的な考え方です。

<その2 地熱利用とは?>

地熱利用とは? 

「地熱利用」というのは大きく分けると2種類あります。

「日本地熱学会」によれば、

1.地下深くにあるマグマの熱を利用すること
2.地下浅いところと地表との温度差を利用した冷暖房、
すなわち地中熱を利用すること


の2つが定義されています。



発電(地熱発電)などでは「1.地下深くにあるマグマの熱を利用する」が日本だけではなく海外でも古くから研究が進んでいました。しかしこれは一部の地域でしか利用できず、また高額な設備費用を考えると住宅用には利用できません。



←柳津西山地熱発電所 (福島県)
※日本地熱学会ホームページより引用





そこで、住宅用には、「2.地下浅いところと地表との温度差を利用した冷暖房、すなわち地中熱の利用」が研究されてきました。

この「地下浅いところと地表との温度差」(=地中熱)は身近なところでも体感できます。


例えば、

夏、どんなに気温が高くても井戸の水は冷たい
冬、どんなに寒くても洞窟の中はあったかい

←愛地球博で再現されたサツキとメイの家にある井戸。日本の原風景ですね。

これは外気温(地表の温度)と地中の温度差によって感じられるものです。


言い換えると「気温は季節によって大きく変わるが、地中温度は年中安定している」ということができます。

そのため、春・秋においてはこの温度差はほとんど利用できませんが、夏・冬においては冷暖房に利用することができます。

この温度差は、「土」が持つ2種類の性質から発生します。




1.「土」は断熱性能を持っている。


カエルやヘビ、クマなどが「土の中」で冬眠するのは、土が断熱性能を持っているため、外気がどんどん冷えていっても、土の中は冷え込まないからです。天然の断熱材の役割です。

←クマの冬眠穴
※日本旅行業協会ホームページより引用



2.「土」は熱を伝える性質がある。


夏、地表面が太陽からの強烈な日射等によって暖められます。
その熱は、じょじょに地中深くへ伝わっていきます。

この2種類の性質によって、例えば地下5メートル程度では、1年を通じて15度〜18度の安定した温度(地温)になっています。


では、実際の地中熱温度を見てみることにしましょう。


<その3 地中温度とは?>

地中温度とは? 

それでは、千葉県の地中温度の変化を見てみましょう。

千葉県の地中温度

地下5mの温度(紫のグラフ)だけに注目してみると、年中15℃から18℃ぐらいで安定しているのが分かります。

さらに季節で見てみると、暑くなり始める5月に最低温度の15.1℃、そして寒くなり始める11月に最高温度の18.6℃を記録していることが分かります。


つまり地下5mでは、夏の方が涼しく、冬の方が暖かいという『夏冬の逆転現象』が起こっているんです。

この地下に眠る天然のエネルギー『地中熱』を住宅に取り込むことで、住宅の省エネ化を図る、というのが地熱住宅の大きな目的です。

また太陽光のように季節や天候に左右されないのも地中熱が注目されている一つの理由でもあります。