外断熱の地熱住宅Q&A

Q 純和風の広縁のある家でも地熱利用できますか? 

こんばんは。エコシステム住宅セミナーに参加予定の岸本です。

会場でお聞きしても良いかな?と思っていたのですが、いろいろ調べていますと、 私の考えている建物では、余り効果が期待出来ないのではと、感じているので少 し質問させて頂きます。

①建築予定の家は出来れば純和風の外観にしたい

②玄関の横に和室2部屋、6畳+8畳(仏間)で前面を広縁にする。

③和室の奥にダイニングキッチンとリビングを作る

④2階は寝室の他に3部屋 広縁は複層ガラスにして断熱と収熱の両方を目指したい。

 

私の勝手な想像ですが、普通広縁の下は空間にしますが、コンクリートにして蓄熱できるよう にしたらどうだろうかと考えています。でも、 外観を掃きだし窓の様な大きな窓にすると、外断熱の効果が期待できない様な気もします。

私の住所は兵庫県豊岡市です。今年は異常な雪不足でしたが、例年は 50〜70cmの積雪が1月中旬から2月一杯まで続きます。 また、夏は京都よりも暑く、毎年全国有数の高温 を記録します。その上蒸し暑さも天下一品です。

 

住まいの立地条件は北(裏手)が山、南(前)が水田ですので、1年中 日当た りは抜群です。

現在の家は隙間が多く、昔の萱葺きの屋根を瓦に変えた、一見2階建てに見える が、天井の高い平屋です。 冬の暖房用の灯油代は工場並みに、 夏は朝早くから陽が落ちるまで家の回り中をお日様が熱してくれますので、冷房 の電気代がこれも一般住宅とは考えられないほど高くかかります。

辛抱すれば、もう少しは倹約できるかもしれませんが、なかなか思うように いきません。 少し脱線してしまいましたが、 広縁を作って、地熱住宅にできるか? とてつもなくコストの高い物になりそうで、不安になっています。 他社の強制的な地熱利用の方が良いかも? などと、悩みが募っています。 アドバイスをお願いいたします。

 

 

A もちろんできます。むしろ効果的な日射取得が行なえます。

岸本様

宇佐美でございます。ご質問をありがとうございました。

早速お答えさせて頂きます。

 

1.「純和風の外観にしたい。」

 

外断熱住宅でも、費用をかければ、純和風の外観にすることは可能です。しかし、本来、「夏を旨とすべし」として建てられてきた純和風住宅は、冬対応を切り捨てて、木部を通気に開放することを主眼とした造りですから、断熱や気密の施工が非常に困難になります。

せめて「和風の住宅」ぐらいの外観をお考え頂いたらいかがでしょう。

 

2.「玄関の横に和室2部屋、6畳+8畳で前面を広縁にする。」 「広縁は複層ガラスにして、断熱と収(集)熱の両方を目指したい。私の勝手な想像ですが、普通広縁の下は空間にするが、コンクリートの蓄熱状態にしたらどうだろうか?」

 

「断熱」「収(集)熱」「蓄熱」さえ手堅くすれば、温熱環境はほぼ整ったと言えると思います。日本における高性能住宅の本質を押さえていらっしゃることに脱帽いたしました。

実は、地熱住宅エコシステムは、広縁の部分をコンクリートの蓄熱層にするように、積極的にお勧めしております。

これを、「エコガーデン」と名付け、商標登録を取得しています。

 

洋室においてのエコガーデンは、コンクリートの上にレンガやタイルなどを貼っていますが、平屋などの和風住宅では、少し低い土間にして、一部に、濡れ縁を取り付けたり、いろいろ、面白い工夫をしております。長年温度測定しておりますが、日射が直接当りますので、大変効果的です。

 

但し、地熱住宅エコシステムは、複層ガラスより、二重サッシをお勧めしております。

その理由の一つは、複層ガラスより、二重サッシの方が断熱性が高いからです。

もう一つの理由は、日本の窓は、「重ね着の窓」であることが肝腎であると考えているからです。

 

日本の冬は日射熱が豊かです。 日中は、二重サッシの内側の窓は開いて外窓だけ閉めて日射透過率を高めます。

日が陰ると内窓も閉め、夜には断熱雨戸断熱戸を閉めます。

夏の夜は、室温より外気温度の方が低くなりますから、内窓を開いて外窓だけ閉めます。夜の窓は、いわば、浴衣になると申せましょう。

 

 

3.「外観を掃き出し窓の様な大きな窓にすると、外断熱の効果が期待出来ない様な気がします。」

 

よくご研究なさっておいでのようです。

外断熱の効果を生かすのも殺すのも、開口部である窓の性能次第です。

(純)和風住宅の掃き出し窓の欠点を補うにはどうしたらよいのでしょう。要点は、

 

日射から取得する熱>損失する熱

 

にすることです。

その為には、南面のみ二重サッシの掃き出し窓にして、日射熱を積極的に頂戴いたします。

夜間は、頂いた熱が逃げないようにガッチリと断熱性の高い「断熱雨戸」もしくは「断熱戸」を閉めます。

決して南面以外の窓は、掃き出し窓にはしないでください。どのような対策をしても、東や西の窓は、取得熱より損失熱の方が大きくなるからです。

西面には掃き出し窓どころか、窓を設けないのがベストです。これは夏の西面には、1平米あたり600〜700ワットの日射が当るからです。ストーブやトースターで熱されているようなものです。

 

それでは、雪が50cm以上も毎年積もるような地域の南面の掃き出し窓には、具体的にどのような窓が考えられるか下記に例を挙げさせて頂きます。

 

掃き出し窓は、断熱雨戸を付ける必要がありますが、豊岡市が北海道や東北のように、雨戸が取り付けられない(閉めたら朝凍り付いて開かなくなる)地域でしたら、断熱雨戸の替わりに室内側に断熱戸をお勧めします。

 

二重サッシ(プラスチック複層ガラス+アルミ単板ガラス)+断熱雨戸

二重サッシ(プラスチック複層ガラス+アルミ単板ガラス)+断熱戸

二重サッシ(プラスチック複層ガラス+アルミ単板ガラス)+ハニカムサーモスクリーン

 

なお、いずれの場合も、窓には全部障子を付けられることをお勧め致します。特に、広縁部分は、窓からの日射熱をコンクリートに蓄熱するため、日中は障子が窓面にかからないよう、障子を壁側に引き込めるようにするとよいでしょう。

☆ 断熱戸とは、窓の室内側に取り付ける断熱材の入ったふすま状のものです。断熱材をベニヤ板で挟んだもので、気密性を保つために雨戸のように一本溝の引き戸にします。

☆ ハニカムサーモスクリーンとは、断熱雨戸に迫る断熱性能を持つスクリーンです。両開き・上下開き(開口位置設定自在)があります。

 

※ご質問には宇佐美がお答えしました。

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